築古戸建投資のリアル|メリットとリスクを冷静に見極める

不動産投資

「不動産投資をやってみたいけれど、新築やアパート一棟なんて無理…」 そんな風に感じていた私が最初に手を出したのが、築古の戸建てでした。

一見ボロボロな家も、見方を変えれば“宝の山”。 この記事では、私自身の体験も交えながら、築古戸建投資の魅力とリスクを徹底的に掘り下げます。

なぜ「新築やアパート一棟なんて無理」と思ったのか

不動産投資はある程度の資金が必要なんです。

現在はフルローンを組めることはほとんどなく、物件価格の1~2割ぐらいは頭金で用意する必要があります。

また、頭金とは別に初期費用がかかります。多めに見積もって初期費用は物件価格の0.8~1割程度見込んでおきましょう。

そうすると3000万円程度の比較的小ぶりな築古アパートでも1000万円くらいは現金が必要となってきます。

ざっくりいうと、毎月5万円程度の賃貸収入を得るために、手元の現金が1000万円ほど出ていくのです。失敗したら・・・と思うと非常に怖いですよね。

途中でローンが返せないくらい退去が発生したら、台風や地震などの自然災害が来たら、その物件で何らかしらの事故が起きて事故物件になってしまったら・・・

発生する確率を可能な限り下げるよう工夫すると、立地や間取り、築年数がかなり良くないとダメで、それこそ頭金がもっともっと必要になってくるような世界です。

つまり、持たざる者は不動産投資のスタートラインにも立たせてもらえない。このような世界なんです。

それでも何とか不動産投資をスタートさせたい。こうなると必然的に購入する物件のターゲットは現金購入できる物件やもっと小ぶりな物件になります。


築古戸建のメリット

 1. 初期費用が圧倒的に安い

築古戸建の一番の魅力は、なんといっても手ごろな価格です。 地方や郊外では100万円台から購入できる物件も珍しくありません。

例えば、私が初めて購入した物件は、売主との交渉で320万円まで指値。

このように、少ない資金でスタートできるのは、会社員や副業投資家にとって非常にありがたいポイントです。

 2. 高い利回りが見込める

取得価格が低いということは、同じ家賃でも利回りが跳ね上がるということです。

上記の物件では月額家賃が4万円。年間48万円の収入で、表面利回りは15.0%。

もちろん固定資産税や修繕費を引くと実質利回りは落ちますが、 銀行に預けているだけの資金とは比較にならないパフォーマンスです。

 3. ニッチな需要をつかめる

築古戸建は、”今どき感”のある物件ではありません。 けれど、それを求めている層も確実に存在します。

・家賃を抑えたい高齢者 ・ペット可を探している家族 ・生活保護受給者や単身者

また、子育て世帯の中にはアパートよりも戸建てを好む人もいます。

リフォームの際に間取りを変える、風呂やトイレを最新にすることで、 ニーズにしっかり応えられるようになります。

実際に国土交通省の「中古住宅流通促進・活用に関する研究会報告書」によると、日本における中古住宅の流通シェアは欧米と比べてまだ小さいものの、近年は着実に増加傾向にあります。
第1回 中古住宅の流通促進・活用に関する研究会 | 国土交通省(PDF)


築古戸建のリスク

 1. 修繕・リフォーム費用が読めない

外観がきれいでも、床下や屋根裏に深刻なシロアリ被害…なんてことも。

築年数が古い物件は、水道管・電気配線・屋根や外壁の劣化など、 見えない部分の修繕費が読みにくいのが最大の難点です。

内覧時には、必ず床下や天井裏も確認。可能であればインスペクション(建物診断)も依頼しましょう。

 2. 融資が通りにくい

築古物件は金融機関の評価が低く、特に再建築不可や接道条件の悪い物件、土地値などの資産価値の低い物件は融資NGの可能性も。

また、戸建1戸では収益性が乏しいと見なされるため、 法人でのスケール戦略や資産背景が求められます。

副業サラリーマンの場合は、まずは現金で1軒購入→実績作り→次の物件で融資、 というステップ戦略が現実的かつ王道です。

 3. 客付けが難しい地域もある

築古戸建は、地域によっては「家賃2万円でも決まらない」こともあります。

重要なのはエリア選定。周辺の賃貸需要や、駅・スーパー・学校までの距離など、 実際に歩いて確かめるのが一番です。

ターゲットに合わせて条件緩和(生活保護可・ペット可)や 家具家電付きプランを検討することも必要です。


築古戸建はどんな人に向いている?

 ◎向いている人

  • 地道にコツコツ作業するのが好きな人
  • 節約・DIY・工夫に価値を感じる人
  • 長期的に資産を増やしたい人
  • 副業的に不動産を始めたい会社員

 △向いていない人

  • 不確実性に弱い(失敗が怖い)人
  • 全てを業者に丸投げしたい人
  • 短期で爆発的な利益を求める人

まとめ:築古戸建は”楽しめる人”のための投資

築古戸建投資は、手間がかかるからこそリターンが大きい。

私にとっては、「物件を再生すること」自体が面白く、 人に喜ばれ、さらに収入にもなる── そんな副業でした。

もちろん、すべての人に合うわけではありません。 ですが、“人生を耕す”意味でも、 自分の手で何かを作り上げていく感覚を味わいたいなら、 これほど魅力的な投資はありません。

ぜひ一度、近所の築古物件を探してみてください。 意外と、未来のチャンスが転がっているかもしれません。

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