はじめに
2025年春、私は不動産投資を本格化させるために法人を設立しました。目標は「税引後キャッシュフロー1,000万円」。その第一歩として、中古アパートや戸建を法人名義で取得しようと考えていました。
しかし、あれから3ヶ月が経った今、まだ1棟も購入できていません。今回は、なぜ「法人を設立したのにまだ買えていない」のか、その背景と今後の方針について赤裸々に書いてみます。
私と同じように、法人を設立して不動産投資に取り組もうとしている方、これから法人化を検討している方にとって、少しでも参考になればと思います。
なぜ法人を設立したのか
私が法人を設立した主な理由は次の3つです。
- 節税効果
給与所得との損益通算はできませんが、経費や減価償却を活用することで税負担を軽減できるメリットがあります。特に築古物件を扱う場合は、減価償却のインパクトが大きく、法人で持つことによる利点が明確です。 - スケールアップしやすい融資戦略
個人では限度がある融資枠も、法人であれば事業性融資を使って拡大することが可能です。将来的に1棟2棟と買い進めるには、法人の方が有利になると考えました。 - 事業としての信用力
不動産投資を「副業」ではなく「事業」として進めていくなら、法人としての実績や信用を積むことが必要になります。金融機関との関係づくりや、管理会社との契約面でも法人の方がスムーズに運ぶことが多いと感じています。
私は40代、会社員として働きながら3人の子どもを育てる家庭を持っています。限られた時間と資金の中で、効率的かつ継続的に資産を積み上げるには「法人活用」が必要だと判断しました。
設立後にやったこと
法人設立後、私はすぐに以下のような行動に移りました。
- 金融機関への融資相談(主に地元の信用金庫)
- 地域を絞った物件検索
- 業者とのコンタクト・現地調査
- レントロール・積算評価・収益還元法による分析
調査・検討した物件の例
- 築古アパート
滞納リスクと修繕費用の高さがネック。見た目以上に手をかける必要があることが判明し、見送り。 - 一棟アパート
滋賀銀行からフルローンの内諾を得るも、売主から息子に相続するという理由で最終的に売ってもらえず。詳しくはこちらの記事「【失敗談】郊外アパート投資で買えなかったのに12万円の請求?|築古投資のリアルな落とし穴」で紹介しています。
また、戸建も同時に検討し、収益化できるモデルを模索しています。戸建投資であれば小資本から始めやすく、法人の実績づくりとしても有効と考えています。
なぜまだ買えていないのか
購入に至らなかった理由は、単純に「良い物件が見つからなかったから」ではありません。以下のような複合的な要因が絡み合っています。
融資評価とのミスマッチ
フルローンを前提としているため、積算評価の低い築古物件は金融機関からの評価が伸びず、融資がつかないケースがありました。金融機関によって評価基準も異なり、物件の選別に時間がかかります。
物件のリスクが高い
空室リスクや、三点ユニット、再建築不可といったリスク要素を抱える物件が多く、入居者が決まらない、売却できない、融資がつかないといったリスクを考慮すると、購入に踏み切れませんでした。
利回り重視では限界がある
表面利回りだけでは語れない落とし穴が多くあります。例えば、表面利回り15%でも、実際には家賃が相場より高く設定されていたり、入居者の属性に不安があったりするケースも。
「とりあえず買う」を避けた
「信用を積むためにとりあえず1棟買う」という選択肢もありましたが、これは逆に長期的には足かせになる可能性があります。赤字物件を抱えることの精神的・資金的コストは大きく、慎重に判断しました。
今後の方針
物件をまだ取得できていない今だからこそ、焦らずに戦略を再確認し、次に進む準備をしています。
- 購入時の利回りではなく、キャッシュフローと融資条件のバランスを重視
- 戸建を皮切りにスモールスタートを検討
- 地元金融機関との関係強化(定期的な相談・資料提出)
- 失敗しないためのチェックリストの作成と実地検証
- このブログで自分の思考を記録・発信して振り返りに活かす
また、子どもが中学生になるタイミングでもあるため、家計全体の見直しや教育費のシミュレーションも同時に行っています。「投資」と「生活」の両立が重要だと実感しています。
まとめ
法人を設立すれば、すぐに不動産が買えて、どんどん資産が増えていく――そんなイメージを持っていたのは、正直甘かったです。
しかし、いざ法人を設立してみて、物件を冷静に選び、金融機関と向き合い、数字を重視した判断をしていく過程は、決して無駄ではありませんでした。
「買わない」という選択もまた、正しい投資判断の一つ。焦らず、しかし止まらず、これからも次の一歩を踏み出していきます。
同じように、法人を設立したけど物件が買えないという方、不動産投資に一歩踏み出せずにいる方にとって、少しでもこの記録が参考になれば嬉しいです。
今後もこのブログで、リアルな投資の歩みを発信していきます。
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